[ホキ美術館] 写実絵画のみを展示するホキ美術館はここがすごい
■写実絵画とは
現実をありのままに表現した写実主義の絵画です。写実主義はリアリズムとも呼ばれていますが、リアリズムは主観をいっさい排除し、ありのままを表現するというのが強い意味ですので、ホキ美術館に展示されている写実絵画とは少し違うようです。
■写実絵画と写真との違い
ホキ美術館の説明員が下記のようなことを言っていました。
- 写真は一点にピントがあっているが、写実絵画はすべてにピントがあっている
- 画家の目を通した補正が意図的、もしくは無意識に入る
有名な画家さんでも絵を描くときに写真を使うことがしばしばありますが、ピントの違いがあるので、見る人が見れば写真を使ったか否かがすぐにわかるそうです。もちろん写真を使うことはタブーなことでは決してなく、昔から絵画制作には写真がよく使われています。
■ホキ美術館
というわけで千葉県にあるホキ美術館に行ってきました。
こちらは、2010年に開館した真新しい美術館で、車でしか行けないような場所にあったりと、地元人、又は車を所有している人でなければなかなか行くことができません。と強気な美術館です。そして、収蔵品は現代写実絵画しかありません。写真絵画のための美術館です。収蔵品の画家は数十人いて、残念ながら1人お亡くなりになりましたが、その他は生きています。ご健在です。画家のほとんどが生きていることも、この美術館の特徴の1つです。
はい。
見てください。これ。この人は眠っています。死んだようにも見えますが、眠っています。ただ、これを描いた磯江毅さんはお亡くなりになりました。先ほどの1人がこの絵を描いた画家さんです。これは墨で描かれているんじゃないかと言われているようですが、そんなことはどうでもいいです。1色の濃淡でここまで再現できるのはまさに神業です。超絶技巧です。実物をみるとわかるのですが、産毛一本一本まで描かれてます。なぜか陰毛あたりはくるくると渦を巻いています。そこは謎です。
■ホキ美術館のここがすごい
1. 美術館なのに窓がある。
展示室には大胆な窓が設置されております。普通、美術館や収蔵室には自然光(紫外線)が侵入するような窓は、作品が劣化する原因となるので、絶対設置しません。しかし、ホキ美術館は「自然の中を散歩している途中で絵を見てほしい」という思いがあるとかで窓があります。
2. 1Fが宙にういている
3. 照明がすごい
照明は約7300台のオールLED。2種類のLEDを使うことで作品をより立体的にしている。
4. 床がふかふか
長時間歩き回っていても、疲れないように、床は弾力性のある素材を使っています。
5. 鑑賞者が少ない←これ重要。
交通の便が悪いところに設置しているせいか、館内にいる人は少ないです。絵をゆっくりみれます。
たまに一部屋に一人ぼっちになることも。プライベート鑑賞。もう最高。
6. ゆっくり見れる
絵の前に座り心地のよい1人用丸椅子が置いてあり、そこに座って何十分でも見ていられます。もう最高。
ホキ美術館、レンタカーを借りてドライブの目的地にぴったりな美術館でした。建物の隣は昭和の森公園があるし。
企画展の情報はこちらのホキ美術館のHPより。
https://www.hoki-museum.jp/